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姫路の名前の由来






姫路・・・・美しい名前です。 お姫様が歩いた路のような・・・・
本当は大昔は「日女道」だったとか・・・・・随分昔の神様の時代の事です。

姫路には14の丘と言うか、小さな山があります。
その14の岡の名前は神様の時代についたとか・・・・
遠い遠い昔、姫路はまだ瀬戸内海の一部でしたそうな。
このあたりの大神は、「大汝命(おおなむちのみこと)」と言う名前だったそうな。
大汝命には、乱暴者の息子「火明命(ほあかりのみこと)」がおりました。
父神の大汝命は、どうしても火明命の性格がなおらないので、捨ててしまおうと決心しました。
ある日、大汝命と火明命は、船に乗り海へとこぎ出しました。
船が因達神山という所にさしかかった時、お父さんの大汝命は息子の火明命に言いました。
「あの島で水をくんできておくれ」
火明命は因達神山で船から下り、水をくみに行きました。
火明命が見えなくなると、父神、大汝命は、船を出してしまいました。
水をくんで帰ってきた火明命は、自分がこの島に置き去りにされたことに気が付きました。
「なんということを!!」
父親にだまされたと知って火明命は怒りました。
そして、火明命は怒って、それまで穏やかだった海を荒れ狂わせたのです。
波は逆巻き、荒れ狂う波の上を風がうなりをあげて吹きまくりました。
父神の船は荒れ狂った海で、ひとたまりもなく沈められてしまいました。
そう言うわけで船が沈んだ所を船丘(今の景福寺山) 波丘(今の名古山)と
名付けました。
船に積んでいた荷物が落ちた所にもそれぞれに名前が付きました。
琴が落ちた所は  琴神丘 (今の薬師山)
箱が落ちた所は  箱丘  (今の男山)
くしげが落ちた所は  匣丘(くしげおか) (今の鬢櫛山)
箕が落ちた所は  箕形山 (今の秩父山)
甕(かめ)が落ちた所は  甕丘みかおか) (今の神子丘)
稲が落ちた所は  稲牟礼丘(いなむれおか) (今の青山稲岡)
冑(かぶと)が落ちた所は  冑丘 (今の冑山)
沈石(いかり)が落ちた所は  沈石丘
綱が落ちた所は  藤丘(今の二階町付近)
鹿が落ちた所は  鹿丘
犬が落ちた所は  犬丘
蚕子(かいこ)が落ちた所は  日女道丘(ひめじおか) (今の姫山)

姫山は、姫路城がある場所です。
父神はどうなったのでしょう・・・・

海から逃げ帰った大汝命は、奥さんの弩都比売(のつびめ)に疲れ切った顔で言いました。
「性の悪い子から逃げようとして、かえつて波風にあい、苦しい目にあわされたよ」
約1200年前に書かれた「播磨国風土記」より